はじめての贈りもの
いつものようにニコラスとトナカイとともに、子どもたちにクリスマスプレゼントを配った帰り道のことです。


激しい吹雪の中、ニコラスたちはかすかなルドルフの灯りを頼りに、空を飛んでいました。視界は雪で遮られ、まっすぐ進むことさえままならない様子です。


「ホーホー!ルドルフや、家まであと少しじゃ。ゆっくりでいいから、気を付けて進むぞ」


ニコラスの声は強い風の中でもルドルフのもとまで届きました。


ぼくがみんなの安全を守らなくちゃ、とルドルフは強く思いました。



それは一瞬の出来事でした。
ひときわ強い風と雪がルドルフを襲い、彼の視界を奪いました。
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