星屑ビーナス
なんで
なんでなんでなんで、
なんであの人はああやっていきなり近づくかなぁ!!!
(そしてなんで私は一人で意識してるかな…)
ドキドキとまたうるさくなる心臓に、一度落ち着こうと女子トイレへと駆け込んだ。
すると目の前の大きな鏡に映ったのは、目の下を隈で黒く、頬を熱で真っ赤に染めたひどい顔色の自分。
(本当、ひどい隈…)
だからっていきなり触るのは、反則だと思う。
ドキドキして、どうしようもない。
「…何その顔色」
「!!」
そうしていると背後から突然現れたのは、トイレに入ってきたところだったかおり。
その顔は鏡に映った私の顔を見て、驚いたように笑い混じりで呟く。