星屑ビーナス



「っ〜…きー!!悔しい!ムカつく!!悔しいーー!!!」

「相変わらずねぇ…」

「何かごめんね、うちの悠が…」



置いていかれたもう一人、背の高い眼鏡の男性・浅田さんは苦笑いで資料を手渡す。



「これ、次回のお試し会についての概要ね」

「お試し会…あぁ、今度の土日でしたっけ」

「うん。第一と第二で合同でやるけど、まぁ仲良くよろしく」

「真崎さんが喧嘩売ってきたりしなければ私も仲良く出来るんですけどね」

「うん、悠にもちゃんと言っておくから」



浅田さんは、真崎さんの同期。

いつも一緒にいる二人だけれど性格は真逆で、いつもツンツンとした真崎さんに対し浅田さんはにこにこと穏やかな様子で笑顔を浮かべている。

優しくて人とぶつかることもなくて、面倒見もいい。すごく、いい人。



「……」



いい人、だけど

正直私はこういう人が苦手だ。



誰にでも優しい人は残酷なだけ

そう知っている自分がいるから





『…知香、』





また、思い出す面影





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