星屑ビーナス
『うわ、狭い部屋だなぁ』
『一人暮らしだもん。ワンルームで充分』
『おまけに服と化粧品ばっかり…こんなにあってどうするの?』
『服は仕事用だし、化粧品はそれぞれ意味があるの!あれは普通の化粧水、保湿用、コラーゲン配合…』
『女の人って大変だなぁ…』
話をして笑って、そんなもう何年も前の日々
忘れたいのに記憶が消せない
「……」
首にしていたネックレスを、寝転がったままそっと外す。
チェーンに指輪を通しただけの、シンプルなもの。よく見れば指輪には大きめのダイヤが輝いている。
(…消せない、な)
それを手に握り締め、私はそっと目を閉じた。