星屑ビーナス



「丁度知人の息子が相手を探していてな。いい奴だぞ、浮気の心配もない」





…うるさい





「お前もいつまでも一人でいるわけにもいかないだろう?親御さんも心配してるだろうし」





うるさい、





「そもそもたかが男一人に引きずりすぎだろう。若いんだからもっと視野を広く…」





うるさい

うるさい、うるさいっ…





「っ、うるさ…」

「…、」



堪えきれない気持ちを爆発させるように『うるさい』そう怒鳴りかけたその時、真横から伸びてきた手がマスクの上から口を塞いだ。



「っ…と、」

「…!」



誰かと目を向ければ、そこにいたのはどこから現れたのか真崎さんだった。


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