星屑ビーナス
「あ、悪い」
「あ…」
倒れた紙袋からバサバサッ、と飛び出す沢山の紙。それは、白地に金色の縁取りをした結婚式の招待状や詳細をまとめた書類たち。
埃が舞う中、真崎さんはそっと紙を一枚手にとった。その紙には『鳥羽圭介・奥谷知香』の名前。
「これ…」
「……」
やだ、
見られたくなかった
紙切れすら捨てられない
こんな、惨めでバカな自分
「…あはは、見ないでくださいよ」
「……」
「捨てる機会がなくて、そのままで」
俯き表情を隠すと、体が近付く気配がする。私はそれを拒むように手でガードを張った。