星屑ビーナス



「お前と違うのは、俺はすぐ引っ越しして相手の記憶が残る物も全部捨てたこと」

「…捨てることは、躊躇わなかったんですか?」

「持っていても何にもならないって思ったしな。…だからこそお前を見てると、そうすれば早くラクになれるのにと思う」

「…、」

「けどそれは本人のペースだよな。俺が口出すことじゃなかった、悪い」



抱きしめる腕に、きゅっと力が込められる。



「けどこれだけは知っていてほしい。痛みだけ背負い続けてても何も変わらない、少し片付けて前向くだけでも世界は違う」





それは、想いを伝えるように

彼の

大きな大きな 想い




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