星屑ビーナス



「…荒療治は成功したみたいですね」

「お前に殴られたくないからな」

「おかげで知香は何かすっきりしたみたいだし…あのくだらない首輪も取れたみたいだし」

「……」



“首輪”

和泉がそう示す言葉に、思い浮かべるのはあの指輪。

本人いわく『まだ捨ててはいない』そうで、でも外されただけでも大きな変化だとは思う。



「いつの間にか熱心にお見舞いに来てくれる彼氏も出来たみたいですし?ねぇ、真崎さん?」

「は?」



その言葉に首を傾げる俺に、和泉はニヤニヤと笑いながらポケットから携帯を取り出しては俺に画面を見せた。

そこには『送信者:知香母 本文:知香の家に行ったら若い男がお見舞いに来てたんだけど、あれ彼氏!?かおりちゃん何か知ってたら教えて!』…のメール。



「私、知香のお母さんと仲良いんです。そしたらこの前こんなメールが」

「誤解だ。ただ見舞い行っただけ」

「ただの後輩に?わざわざ家まで?ふーん」

「うるせーぞ!」



くそっ、からかいやがって!




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