星屑ビーナス



「真っ赤になっちゃって。奥谷かーわいー」

「なっ!からかわないでください!だから背が小さいんですよ!」

「関係ねーだろ!それに俺はまだ伸びる!」

「もう伸びませんよ!これからは縮む一方です!」



そんなやりとりに笑う俺に、奥谷は赤い頬を両手で押さえつつ話題をそらすようにそういえば、と思い出したように言う。



「そういえば…真崎さんは、どうしてこの仕事に就いたんですか?」

「?」

「いや、男の人で化粧品会社っていうのが少し意外で…それに浅田さんみたいになりゆきでって感じでもなさそうだから」

「あー…まぁ、俺は元々この職種希望だったからな」



どうしてこの仕事か、何気ないその問いに俺は髪をかいて答えた。


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