星屑ビーナス
「で、作る為にはまずメイクや化粧品についてを学ぶべきだと思って、メイクの専門学校に」
「それで入社していきなりヒットメーカーですもんね。うらやましい」
「バカ、これでも俺も苦労してるんだぞ」
「?そうなんですか?」
「当たり前だ。最初は俺みたいな若い男の企画なんて聞いても貰えなかったし、最初に売れたファンデーションだって上司に何度提案してようやく通ったことか…」
『お願いします!商品提案だけでも聞いてもらえませんか!』
『いや、だが…』
『お願いします!自信あるんです!絶対売れます!』
一歩を踏み出す道を作る。その為に頭を下げて、毎日早くから遅くまで人一倍働いた。
「上は一度売れた物を似たように繰り返してばかりで、新しい物には臆病だし…売れる自信があった物がスベるときだってある。考えて考えて出した企画がまともに見向きもされないことだってある」
理想と現実は違う。
ここまでくるのに、時々折れそうにもなったし投げ出したくもなった。
それでも