星屑ビーナス
「あー…それにしても飲みすぎたな。酒くせー」
「あ、お風呂くらい入って行きます?時間的にこのまま会社向かわないと間に合わないですよね」
「そうだな…借りる」
「じゃあ今お湯入れますね」
奥谷はそうテキパキと動いて、風呂場へ向かい蛇口を捻る。そんな彼女の後ろに続くように、入っていく浴室。
「奥谷」
「はい?」
「…スッキリしたか?」
「……」
俺の問いかけに、その表情はこちらを振り返り微笑みをこぼした。
それだけで、言葉がなくとも感じられる
その心の清々しさ
「…、」
込み上げた愛おしさに、俺は不意に距離を近付け正面からその体を抱き締めた。
同じくらいの背の高さにあまり格好はつかないけれど、細く柔らかな体は腕の中にすっぽりとおさまってしまう。