星屑ビーナス







「かーおりっ。お昼行こ!」

「えぇ、社員食堂でいい?」

「うん。今日はカレーうどんの気分だし!」

「やめておいたら?今日服白色じゃない」

「つゆが飛ぼうとカレーうどん!」

「はいはい」



迎えたお昼、私は上機嫌でかおりとオフィスを出て下の階にある社員食堂へ向かい歩き出した。
静かな廊下には二人のヒールの音だけがコツコツと響く。



「知香、随分ゴキゲンじゃない?」

「そりゃあもちろん!だってデザイン通ったんだよ?しかも真崎さんからの一発OK!」

「あら、よかったわね」

「うん。だから嬉しくて嬉しくて…」

「おまけに恋愛も順調みたいだし?」

「え!?」



その一言に緩んでいた顔を驚きに変えると、かおりは楽しそうに笑った。



「れ、恋愛っていうか…その、」

「濁さなくてもいいじゃない。真崎さんと知香が付き合ってる、って社内中の噂よ?」

「えぇ!?」



い、いつの間にそんな噂が!?


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