星屑ビーナス



「二人とも、今からお昼?」

「えぇ。お二人もですか?」

「うん。たまには社員食堂で食べようかなーって」



そう話しながら四人揃って廊下を歩くと二人で会話をする浅田さんとかおりに、自然と私と真崎さんは二人余ってしまう。



「……」

「……」



(…黙ると、緊張する)

先程の仕事中の緊張とはまた違うドキドキ。どうしようかと歩き続けていると、私より少し低いその視線はチラ、とこちらの足元を見る。



「?」

「…今日もそんな忌々しい高さのヒール履きやがって」

「そこまで高くないですよ。身長170以上にはなるので165センチの真崎さんから見れば大きく感じるかもしれませんけど」

「俺は167だ!!」

「2センチしか変わらないじゃないですか!そんなところにこだわって…だから小さいんですむがっ」



緊張を解消しようといつものようにふざけてみる私に、真崎さんはイラついたように私の両頬を片手で挟み変な顔にさせる。



「いい度胸だ奥谷…このブサイクな顔を写真に撮って社内中のパソコンに送ってやる」

「やめへくらはいお、ぱわはらー!」

「あらあら、楽しそうねぇ」

「悠、女の子相手にそういうことしないの…」



すかさず止める浅田さんのおかげで、私はその手から逃れかおりの後ろへサッと隠れた。

あんな変な顔にさせられたからかいの一つにも頬が熱くなりそうな自分は、やっぱり彼に惚れているのだと思う。




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