星屑ビーナス
(わ…可愛い)
三村さんも可愛い人だと思ったけど…この人もすごく可愛い。白い肌と少したれた目元に、大きな黒目、まるで小動物のような可愛らしさに思わず目が奪われる。
でもこんな人うちの会社にいたっけ…部署が違うから見覚えがないだけ?
そう思いながら何気なしに視線を女性から隣へ向ける。すると私の隣では、真崎さんが少し驚いた顔で女性を見つめていた。
「…郁美?」
「…悠…久しぶり」
(郁美、って…知り合い?)
声をかけられこちらを見たその女性は、真崎さんに向けてにこりと柔らかな笑みをこぼす。
「早い到着だな。会議は明日だろ」
「うん。一日早く来て、久しぶりに本社見学してたの」
「ちゃんと部長たちに挨拶したか?」
「ううん、今ついたばっかりで…部長、どこにいるかわかる?」
「……」
一瞬にして縮まる二人の距離に、感じるのはその親密さ。
(仲良いけど…この人も同期とか?)
気になりながらも問いかけられずにいると、真崎さんは私たちがいることを思い出したようにこちらを振り向いた。