星屑ビーナス
「…え…?」
「……」
真っ直ぐこちらを見つめる瞳
それは、嘘やでまかせではない。紛れもなく本気の目
「…い、ま…何て、」
「だから、お前のことが好きだって言った」
「……」
う、そ
真崎さんが?私の、ことを?
呆然とする私に、彼はぐしゃぐしゃと頭をかいた。今更ながら、彼のこの仕草は照れた時や困った時の癖なのだと知る。
「…何とか言えよ、こら」
「だって、びっくりして…夢、かと…」
驚きながらも徐々に湧き上がる現実感。その感覚に赤くなる頬から拒否の反応ではないことを悟り、彼は私の体を正面からぎゅっと抱きしめる。
「…ほら、現実だろ」
「そんなこと…だって、真崎さんが私を選ぶなんて、」
「あーもう、落ち着け」
夢じゃない
抱きしめる体はスーツ越しに熱さを伝えるし、汗で濡れた毛先が少し冷たい。ドキドキと鳴る私の鼓動も彼の鼓動も、うるさくて
夢なんかじゃ、ない