星屑ビーナス
「そんなに信じ難いか?」
「だって…私ですよ?婚約破棄されるような女で、可愛くもなくて、久保さんの方が全然…」
「俺は、奥谷だからいいんだけど」
呟いては腕の力を少し緩め、ここが駅前の通りだということを忘れたように額と額を寄せる。
「一応言っておくけど、同情とかそんなくだらないものはないから。俺はお前のこと可哀想だなんて思ったことない」
同情なんかじゃない
「最初はただ仕事熱心だから気に入ってて、けど強がりで弱さを見せなくて…そんなお前を知る度に放って置けない自分がいた」
好きの理由
「奥谷の弱さをもっと見せてほしいし、涙も拭いたい。けどそれ以上に、笑顔にしてやりたい」
その、大きな気持ち
「奥谷のことが、好きだよ」
全部、全部
あなたは伝えてくれるから
「…付き合っても、私は真崎さんのことを信じられないかもしれない」
「…うん」
「すぐ不安になって、疑って怖くなって…真崎さんのことを傷付けてしまうこともあるかもしれないっ…」
「それで、奥谷の気持ちは?」
「…、…」
だから、私の気持ちを伝えよう