星屑ビーナス



「でもやっぱり、一緒に悩んで決めたいんですよね。人生に一度の『ふたりの結婚式』ですもん」

「そうなんです!…それに、その」

「?」

「…久保さんとの時は、結構積極的に手伝ったりしてたらしいし」

「……」



一緒に考えてほしい、その気持ちの奥には、元彼女のことが絡んでくる思いもある。



以前真崎さんが話してくれた、久保さんとのこと。その時にチラッと聞いた話だと、式の準備も手伝ってドレス選びにも根気強く付き合ったそう。



(私には『俺休み取れないから和泉にでも付き合ってもらえよ』って言ったくせに…!)

今と昔では状況も違うのはわかっている。だけど、比べてはへこんでしまう自分もいる。



「でも真崎くんもどうでもいいって思ってるわけじゃないと思いますよ」

「…そうですかねぇ」

「そうですよ、きっと」



そんな不安感を宥めるように、三村さんは優しく言い切る。そんなところが、見た目は若くともこうして話すとやっぱり年上だと感じさせた。



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