星屑ビーナス

「でもあの真崎くんが結婚…ようやく、って感じですねぇ」

「？そう、ですか？」

「えぇ。真崎くん、あれから何人か付き合った人はいたみたいなんですけど…すぐ別れることが多いって聞いてたから心配だったんです」

「へぇ…初耳」

「でも奥谷さんとならそうなるだろうなって、なんとなく思ってましたよ」

「え？」



私となら？

その言葉に首を傾げる。



「彼、前からよく奥谷さんの話してましたから。こういう風に生意気でとか、こういう企画を出してきてとか…些細なことばかりだったけど、いつもすごく楽しそうに」





『くそ、またあいつが俺の身長をバカにしやがって…』

『また奥谷さんですか？本当に仲良しですね』

『仲良いっつーか…あいつが容赦無く噛み付いてくるから全力で相手してやってるだけだよ』

『でもそんな彼女のこと、嫌いじゃないんでしょう？』

『…まぁな』





「……」



(…私のことを、楽しそうに)

長年の付き合いの三村さんだからこそ知っている話。そういう話がまた嬉しくて、心がくすぐったくなる。