星屑ビーナス
(にしても、三村さんって案外お姉さんタイプなんだなぁ…)
真崎さんのこともよく分かってるから、話してみてよかったかもしれない。
そうだよね、まずは気持ちを言わなきゃわからないもん。今夜は仕事も落ち着いてゆっくり出来るだろうし…よし。とりあえず行動!
(頭の中で悩んでるだけだと嫌な想像しがちだし…)
勢いで結婚なんて言い出したはいいけど面倒になってたりして…とかすぐ嫌な方向に考えちゃうからなぁ。
しっかりしなければ、と気持ちを落ち着け私は夕方の社内を一人で歩く。
あと一時間仕事をすれば定時だという頃、オフィスへ続く廊下にはひと気はない。
(今日は定時であがれそう…よし、もう一仕事)
そう歩いていると、通った給湯室からはあははと笑う高い声。
「…?」
「…って噂で〜…、なんだけどぉ」
「ありえなーい!それでそれで?」
つい足を止め耳を傾けると、そこから聞こえる声から第三商品部の女性たちの声だということを悟る。