星屑ビーナス



「そういえばちょっと前から噂とかあったもんね〜」

「でも納得かも。元々そういう仲だったから、奥谷さんもあの歳でリーダーになれたんじゃない?」

「体で出世?うわ、あの人やるねー」

「…!」





『体で出世』、?





「真崎さんも勢いで結婚しちゃダメじゃんねー」

「そうそう。30代でも格好良いんだしモテるだろうし、焦らなくてもねぇ」

「結婚したはいいけどすぐ離婚、とかなったりして!」

「あ、そしたら私真崎さんのお嫁さん立候補〜。奥谷さんの体で落とせるなら私も自信ある!」





『勢いで』

『焦り』

『すぐ離婚』





彼女たちが笑いながら言う言葉は、グサグサと心に突き刺さる。



誰が仕事にも真崎さんにも体使ったっていうのよ…勝手なこと言いやがって!!

イラァッと込み上げた怒りに、私は勢いよく部屋のドアを開ける。バァンッ!!と音を立て姿を現した私に笑い声はピタッと止まり、給湯室内の女の子たちは驚いた顔でこちらを見た。


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