星屑ビーナス
「二人の式のこと、二人で考えなきゃ意味ないよな。…ごめん」
「……」
「でもこれだけはわかってくれ。別に勢いだけでお前と結婚するわけじゃないし、どうでもいいとかそんな気持ちは一切ない」
「…本当ですか?」
「本当。…ただ、最近はそれ以上に頭悩ませてたことがあってだな…」
「?」
結婚式より、頭を悩ませること…?
それが何なのか全く見当もつかず首を傾げた私に、彼は体を少し離してポケットからある物を取り出した。
それは、薄ピンク色の小さな箱。
「…?」
「…これ、開けて」
言われるがままそれを手に取りそっと開ける。するとそこには、箱の真ん中で輝く一つの指輪があった。
「……」
流れるようなラインに沿って並ぶ小さなダイヤ。派手すぎず、綺麗なデザインのその指輪に思わず見とれ言葉を失う。