星屑ビーナス
「…もう一度、改めて言わせてほしい」
「……」
「俺と、結婚してください」
真っ直ぐに真剣に見つめる瞳に、また知る。
ちゃんと気持ちがあったこと
その気持ちの、大きさを
「…、…はい…」
頷いては同時にポロポロとこぼれ出す涙に、真崎さんは困ったように小さく笑いその指で優しく涙を拭った。
「またそうやって泣く」
「だって、うれしい…なのに、ごめんなさい…不安になって…」
「…いいよ。今回はお互い様な」
そしてまた体を抱き寄せては、ぎゅうと包み込んでくれる腕。甘えるようにその背中に腕をまわせば、彼は私の耳や頬にちゅ、と唇で触れる。
「あ…でもやっぱり許すのやめた」
「え!?」
「許してほしかったら、俺のこと名前で呼んでみろ」
「……」
下の、名前。それはまだ私も呼んだことはなく、不慣れな響きに照れてしまうけれど。
「…悠、」
「…うん」
小さく囁いた名前に、彼は嬉しそうに笑ってキスをした。
優しい優しいキスは慣れることなんてない、触れるたびに溶けてしまいそうになる感触。