星屑ビーナス
「ったく、仮にも部署の代表がこんな頭で街を歩くなっての…」
「はいはい、すみませんー」
そう文句を言いながらも、優しく髪を整え結う指先。
(真崎さんの手、好きだなぁ…)
触れる体温の高い指先
その温もりに、小さく感じる安心感
「ほら、出来た」
そう言われ鏡を見ると、右側の髪を編み込みしながら左側でまとめて結った、普段自分では出来ないような可愛い髪型が完成していた。
「髪が長いのはいいな。いじり甲斐がある」
「そもそもこんな髪型どうやって覚えたんですか?」
「専門通ってた時についでに覚えた」
「へー…」
(可愛い…)
惚れ惚れとその髪型を見る私に、真崎さんは手早く切り替えスーツの上着をビシッと着直す。