星屑ビーナス




「じゃあ、お試し会一日目お疲れ様。乾杯」

「かんぱーい」



そしてやってきたデパート近くの居酒屋さん。

がやがやと既ににぎわう店内の端の席で、私たちは音を立てグラスを合わせビールをグイッと飲む。



「あー、生ビール最高!おいしー!」

「知香、相変わらず言い方が親父くさい」

「お酒の飲めないお子様なかおりには分からないのよ、この一口目のビールの美味しさは」

「……」



そう笑う私に、かおりははいはいと流すようにグラスの中のウーロン茶を飲んだ。



「和泉さんって酒ダメなんだ?」

「えぇ。少しの量ですぐ寝ちゃうんです」

「意外だな。ワイン好きそうなイメージだったけど」

「よく言われます」

「奥谷…は、イメージ通りビールジョッキがよく似合うな」

「どんなイメージですかそれ!」



あんまりいいイメージじゃない気がする!

そう口を尖らせる私に、向かいでは真崎さんがポケットから煙草を取り出す。


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