星屑ビーナス



何よ

何よ何よ何よ!!!



可愛い子にはデレデレしちゃって!だらしない男!!

確かに三村さん可愛いし小柄だし、優しそうだし…すごくいい人そうだけど、けど!!



(何かムカつく!!)



「浅田さん!手伝いに来ました!」

「?あ、うんありがとー。じゃあ椅子並べて貰える?」

「はい!」



やってきた会場でそのイラつきをぶつけるようにガタガタと椅子をひとつずつ出す私に、浅田さんはテーブルに道具を用意しながらこちらを見る。



「奥谷さん、昨日はごめんね」

「へ?何がですか?」

「飲み屋で。俺も悠も余計な話しちゃってさ」

「あ…」



それは昨夜のことを指しているらしく、彼にまで気を遣わせていたのだと知る。



「すみません、私こそ…いきなり大声出しちゃったりして」

「あはは、奥谷さんの大きな声はいつも聞いてるから慣れてるよ」

「うっ」



気にしないで、とでも言うように優しい笑顔で笑い飛ばしてくれる。

その雰囲気がまた、彼を思い出させては気持ちが沈みかけるけれど



「よし、じゃあ今日も頑張ろう」

「…はいっ!頑張ります!」



(…大丈夫、大丈夫)



これ以上気遣わせるわけにはいかないから、心を強くするように拳をぐっと握った。



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