星屑ビーナス
「お前今日どうした?機嫌悪くないか?」
「悪くないです。気にしないでください」
「いや、悪いだろ。何かあったか?」
「何もないですから。ほっといてください」
「真崎くーん、ちょっといいですかー?」
じっとこっちを見るその瞳につい目をそらす。その時、部屋の外から呼ぶ声は高く甘い三村さんの声。
「ほら、呼んでますよ。向こう行ったらどうですか」
「おい、奥谷…」
「だから何でもないですってば!!」
そう声を荒げ手を動かした拍子に、手は紙コップにあたってしまい勢いよく倒れる。
当然入っていたコーヒーは私の膝にバシャッとかかった。