星屑ビーナス
「あっつ…」
「!」
肌に伝う熱さに驚き声をあげた私に、真崎さんは手にしていたダンボールをテーブルに置いた。かと思えば突然私の体を抱き上げ、お姫様抱っこの形で持ち上げる。
「へっ!?まっ真崎さん!?」
「和泉、俺こいつトイレ連れて行くから。手が離せないって華に伝えてくれ」
「はーい、わかりました」
「あっあの、おろして…」
「うるさい!!黙って持ち上げられておけ!!」
「…、」
彼はそう怒鳴り、そのまま奥にあるトイレへと向かい急ぎ足で歩き出した。
(…意外)
こうして躊躇いなく手を差し出して、軽々しく持ち上げたりして
力強い、腕
ほのかに漂う化粧品の匂いと彼の匂いに、心がまた音を立てた。