星屑ビーナス
「互いの大変さも努力や苦労も知ってる。だからこそ相手の立場の為にも俺は良い物を作ろうと思うし、華はそれを人に勧めようと頑張る」
「……」
「…実際個人売り上げで見た時に、俺の企画した商品を一番売ってくれたのはあいつだからな」
「だから、戦友…」
戦友、
商品部として、販売員として
互いの立場の為に頑張ってる
そんな相手だから
(…恥ずかしい)
そんな気持ちも知らずに、一人で勘繰ってイライラして
彼にだって、私の知らないところで仲間がいるはず
知らないだけでもっと色んな世界があるはずなのに
「だから、俺と華はそれ以上のことはないわけ。わかったか?」
「…なんか、すみません」
「ったく…そもそも向こうはもう結婚してるっつーの」
勘違いしていた自分を恥じる私に、ところで、とその目は顔を覗き込む。