【福は内】とは言ったけども、【福くん】が【ウチ】に来る必要はないと思う。
もう一度、ゆっくり開けると、外にいるあいつが思いっきり自分のほうにドアを引いたのか。
「うわっ!」
体が前のめりに倒れこむ。
「おっと、大丈夫?痛くない?」
…福くんが私を受け止めたことで、大丈夫だったのだけど。
「い、痛くないから。全然。
というか、何しに来たの。今日、遊ぶ約束してなかったよね。」
少し赤くなった顔を隠すように、目を合わせないようにして聞く。