【福は内】とは言ったけども、【福くん】が【ウチ】に来る必要はないと思う。
「鬼塚さんが、【福は内】って呼んだから、会いに来ました!!」
福くんは上手いこと言った、みたいな多少腹立つ顔でそう言うので。
「…じゃあ、【鬼は外】ってことで私がこの家から出てけばいい?」
とちょっと意地悪く返してみる。
「待って待って、嘘だよ!
…きっと鬼塚さんが寂しいころだなと思って訪問しました。」
ニコッと笑い、福くんはぽんぽんと私の頭を撫でた。