victim
(一か月前)
周りに違和感を感じ始めたのは、この頃からだった。
日に日にあたしの友達は減っていって
典型的な嫌がらせが始まって
男からは好奇の目で見られて
訳の分からない事を言われた。
『青龍の姫』、と。
青龍なんてものは知らないし、
姫ってなんなんだ。
姫になった記憶なんてない。
それなのに、
噂は広範囲に広まっていった。
そして、
あたしの友達も、親友さえもあたしから離れて行った。
仲が良かった子からはひどく睨まれ、
唯一親友と思っていた、カナ。
あの子にさえも、
「あんたなんか大嫌い。
もう、二度と話しかけないでくれる。
うざいから」
なんて。
おかしいと思ってたよ。
急激にあたしは一人ぼっちになって
いじめという陰湿なものを受け始めたから。
全ては、
仕組まれていた事なんて。
一体誰が、
予想しただろう。