(短編)私と先輩の関係




仕方なく、漫画も閉じて、ベットに横になる。


天井を見上げて、ぼんやり、今日あったことを思い出していると、不意に昔の記憶が甦ってきた。





―――二年前



休み時間になると私はいつも、一人で絵を書いていた。


誰にも見られないように、ノートを手で隠しながら、こっそりと。


それを、たまたま近くを通りがかったクラスメイトの女の子に見られてしまった。



「守山さん、なに描いてるの?」


「い、いや・・・なんでもない」


「えー見せてよ」


「やめて」



慌てて隠そうとする私の手から、彼女はノートを奪い取って、中を開いた。




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