(短編)私と先輩の関係
・・・・・
午後は雨が降りました。
それも、どしゃ降りです。
それだけで憂鬱になってしまいます。
今は五時間目が終わり、先生からの頼まれごとを片付けて、教室に戻ろうとしているところでした。
ん・・・・?
ふと、渡り廊下の脇にある、たまに昼食をとっていた中庭に目が向く。
誰か、いる・・・?
こんなどしゃ降りの中、外に出るなんて・・・一体誰でしょう・・・
目を凝らすと・・・
紺野先輩が、ずぶ濡れでベンチに座っていました。
なんで、こんな雨の中・・・?
虚ろな顔、してる。
行かなくちゃ。
考えるより先に身体が動いてしまうという経験は生まれて初めてです。
私はただただ、
無我夢中で雨の中へ飛び出し、
先輩の身体を抱き上げていました。