(短編)私と先輩の関係
「意味なんて多分、ないんだと思います・・・ただ、先輩のためになりたいって、思うだけです」
そうとしか、説明がつかない。
少しの間、沈黙が流れる。
その間に、先輩が呼吸を整えるのを、背中で感じた。
そして、
「先生・・・結婚するんだって」
首筋に、声と、吐息がかかる。
「調子に乗ってたんだ、俺。期待したら辛くなるって、分かってたのに・・・先生に告白したら、俺のこと、ちゃんと考えるって言ってくれたから・・・」
そんなふうに泣くなんて、先輩、ずるいですよ・・・
「好きな人に優しくされて期待するのなんて、当たり前のことだと思います」
「そ・・かな」
「先輩は、先生と一緒にいて、幸せでしたか?」
「うん・・・こないだ、初めて・・したとき・・・すごい嬉しくて、幸せで・・・」
そっか、
この前、私が見かけたのが最初だったんだ・・・
私にも、先輩に幸せを与えることが、できるんでしょうか。
もしそんなチャンスがあるとしたら・・・