変則的Heart breakの定義
――はあ……。
手を上げていつものように体育を抜けようとした時……。
「――後藤っ……!!」
先生が同じクラスの後藤という名の生徒に呼びかけチーム分けを始めたのと…頭の中に例のあのスマホのかなきり声が脳裏に響いた。
何か渦巻いていた迷いが蠢き始め答えを求め始めている心の声に出しかけた手を静かに下ろす。
『嵩妻 丙――。』
黙って立ち上がり‥チーム別に色分けされたハチマキをもらう。
やがて……名前は次々と呼ばれバスケの試合は始まった。
奇しくもバスケ部に一年にいた頃のメンバーが同じチームにいた事に気づき会釈した俺に気まずそうに愛想笑いをむけた。