恋の相手はお隣さん。
「どうせ私は子供で鈍感で、響とは不釣り合いだもん」
「だったらさ、その男の気持ち、確かめてみろよ。手っ取り早い方法があるぜ?」
悪戯を思いついた子供みたいな顔で、蒼汰は私の耳元に顔を近づけた。
「派手に、妬かせてやればいーんじゃねーの」
「は……?」
響を、妬かせる――?
「響がヤキモチ妬くはずないよ! それに……そんな試すようなこと、したくないし」
「だって知りたいんだろ? そいつの気持ち」
「知りたいけど、交換条件出して怒られたばっかりだから。これ以上変なことしたら、呆れられちゃう」
それどころか、部屋に出入り禁止になったりしたら、シャレにならない。
「別に俺はいーけどな。お前が大人になる前に、そいつが他に女作ろうがさ」
「そんなこと絶対……」
「ないって? 今も女いるかもしれねーじゃねーかよ」