高校生彼氏
不意を突かれて心臓が止まるくらいビックリした。でも……私この感触も匂いも知ってる。





「こらっ水谷!何してるんだお前っ!!」
「痛てっ」





その腕から解放されて振り向くと……やっぱり。そこにいたのは私の最愛の人。

頭を小突かれたのか、擦りながら先生に文句言ってる。




「なんで叩くんだよっ。彼女なんだからいいんだよっ。大体みんなして鼻の下伸ばしてっからだろ。油断も隙もありゃしねぇ。これは俺のもんなの!」


グイッっと肩を抱き寄せられる。



「うそっ、マジ?この看護婦!?」





皆びっくりしてる。そうだよ。こんな年齢差ハッキリしてるカップルいないもん。皆疑問なんだ、なんでこんなライトと釣り合わないおばさんて………






「やっべ、ライト羨ましいわ」
「ナース姿で迫られたら………たまんねぇな」





皆予想外の反応。なんで?あ、今流行のコスプレと勘違いしてる?





「あ、それより……」




私は慌ててライトに抱かれた手を解く。キョロキョロ見回しても幸い誰にも見られてないようだ。





「この事は内緒で。噂、早いから」





皆に『シー……』のポーズをして見せる。






「………可愛い」
「えっ?」






ぽつりと呟いたのは………担任の先生だった。
耳聡く聞き付けたライトは両手を広げて私と先生の間に立ちはだかった。






「ダメダメ!絶対にダメだって!!」
「いや、俺の方が甲斐性ある」
「そういう問題じゃないから!アキノ惑わされんな」
「クスクス………大丈夫だよ」





慌ててるライトがなんだか可愛い。大丈夫。何があっても私はライトじゃなきゃダメなんだから。





「病室ここです。ちょっとお待ちくださいね」





ノックして部屋に入ると眠っている
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