高校生彼氏
片岡くんの側に寄って肩をトントンと優しく叩いて耳元で囁く。






「片岡くん?学校のお友達お見舞い来てますよ………片岡くん」






ゆっくり瞼が開く。あ~もう、やっぱり色気あるんじゃん。恐るべし今時高校生……。





「あ~…………入ってもらって………」






気怠そうに身動ぎする片岡くんのベッドを上半身だけ少し起こす。





「どうぞ。患者さんに余り無理させないでくださいね」





皆に中に入るように促す。一番最後に入るライトと擦れ違い様にポンとお尻を叩かれた。



「こら………」
「ヤキモチやかせたお返しだよ」






ヤキモチ?拗ねたような甘えるようなライトの表情が可愛くて……キスの変わりにとっておきのスマイルをプレゼントした。






「やっぱ可愛いわ~」
「看護婦さんライトやめて俺にしない?」





いつの間にか後ろから覗き込んでたお友達達の野次にライト半ギレ状態。





「病院なので静かにお願いしますね~」






そう言い残し、私は病室を後にした。
少しだけどライトの高校生活を垣間見れた気がして嬉しい。






-コイツは俺のもんなの!-







時々ライトの彼女である事に自信を無くす私にとって一番の言葉。ふふっ、嬉しい………ニヤニヤ~っとしながら、ふとある事を思い出した。






「やばっ!引継ぎ始まってる…」






でも嬉しくてにやけた顔はなかなかひき締まらない。頑張って真面目な顔をしてナースステーションに飛び込んだ。





「璃乃さん!遅刻!!」
「すいませ~ん!」






怒られたっていい事あったからいいんだも~ん♪
今日の夕飯はライトの好きな物にしてあげよう。嬉しい言葉のお返しに☆
< 18 / 101 >

この作品をシェア

pagetop