高校生彼氏
転ばずにすんだその体が慌てて退けられる。





「大丈夫!?ごめんなさい私ったら……今婦長呼んで来ます!」






外れた点滴と腹を押さえて蹲る俺を見て慌ててる……ってか声が震えてる。







「………っ、待って」






なんかとっても可哀相になって思わずその手を掴んでしまった。






「大丈夫…だから。それより看護婦さん怪我……ない?」





見上げると超涙目。握る手も震えてる……







-ドキ………-







なんだ!?今の。何ドキッて………。まさか…………って俺D専じゃねーよ?








「内緒にしといて。ここの婦長怖いんでしょ?」





これはある筋の情報。怒らすとマジでおっかねぇらしい。









「でも失敗は失敗だから………」
「俺……大丈夫だよ?点滴は刺し直してもらえばいいしさ。ね?」






念を押すようにグッと手に力を込めて反応をみるつもりでみつめただけなのに……










耳まで真っ赤になっちゃった!







ええっ!?有り得ねぇ。なに赤くなってんの!俺なんかした!?






そっと遠慮がちに俺の手を解くと、バッと頭を下げてバタバタ部屋から出て行ってしまった。




ぼーぜん。なんだ今の。俺…置き去り?








そして数分後。




バタバタと廊下を駆けて来る複数の足音。飛び込んで来たのは血相を変えた婦長と巨漢看護婦。






ひたすら平謝りで点滴の針が折れてない事と、傷口が開いてないかを確認された(ちょっと出血してたけど)。そんな婦長の後ろで、やたら冷や汗を流しながら恐縮して大きな体を小さくしてる彼女を見たら。


ちょっと(ほんのちょっとだよ?)そんな彼女を可愛いと思ってしまった自分。そして日に二人もナースが気になってしまった浮ついた自分がなんだか許せなかった………。


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