高校生彼氏



「そっか……」







それで俺のおかげね。なるほど。






「それが……その」
「そいつに告られてびっくりしてる?」








泣き顔がみるみる赤くなった。純粋なんだな。可愛い。ますます振り向かせてみたくなる。






「南さん目が綺麗。前も可愛かったけど、痩せてますます可愛くなった。でも中身はもっと素敵だよ。マジで惚れてる。だから……俺の彼女になってください」






今の精一杯の気持ち。これを受け止めて貰えなかったら……諦めるしかないんだろうな。







「私……太ってるよ?一緒に歩いてたら笑われるよ?」







まだそんな事言ってる。






「璃乃さんも彼氏と歩くのためらってた。年の差で釣り合わないんじゃいかって。でも璃乃さんは可愛いから……私は……その」







今ならライトの苦悩がわかる気がする。悩み相談されてものろけにしか聞こえなかったから。ごめんライト本当に納得させんの一苦労。







「太ってないじゃん。ほら」
「わっ!?」





ヒョイとお姫様抱っこ。男ならこんなの重いうちに入らねーだろ。







「下ろしてっ!」
「全然重くないって。それより柔らかくてあったかい……」







体の感触が気持ち良くて…重さなんか感じない。ずっとこうしてたい。






「あ、でも濡れちゃうか。俺の体ビシャビシャだし………」




名残惜しいけど、そっと地上に下ろす。抱きついたり抱き上げたりしたからすでにあちこち染みになっちゃってる。




「ごめん、服濡らしちゃった」
「いいの?」
「へ?」
「男の子と付き合った経験もないつまんないコだよ。それでも本当に私でいいの?」





頬をピンクに染めて見上げてくる。キュンと胸が疼く。ほらメチャメチャ可愛いじゃんか。





「他の誰がなんて言っても俺は南さんじゃなきゃダメなんだ」
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