高校生彼氏
「南ちゃん」
「は、はひっ!?」
ビックリして声が裏返っちゃった。
だって…指輪だよ?こんなの初めてで…嬉しいどうしよう。
「俺とさ……結婚してください」
「………………」
思考停止。自分の辞書にない文字を突き付けられて、完全にフリーズ…………
「南ちゃん?お~い………」
「………はへっ!?」
「ちゃんと聞いてた?」
「聞いてた。けど…」
「けど?」
「龍くんとその……結婚とかって考えてもいなくて」
一瞬龍くんの顔が曇った。誤解されたくなくて慌てて言い直す。
「龍くんと結婚できないとかそういうことじゃなくて………なんていったらいいかな」
龍くんを傷つけたくないからちゃんと言葉を選んでゆっくり話した。
「私、今まで彼氏がいたことなかったでしょ。だから誰かと付き合うってだけでも私の中では凄く大きな事だったの。だからましてや結婚なんて未知の世界っていうか…自分にこういう問題が突き付けられるなんて思ってもいなかったから…ビックリした」
「…………」
「私……龍くんの事大好きだよ?龍くんがどれだけ私を大切にしてくれてるかも分かる。私自分に自信なんかないけど……龍くんを好きな気持ちは誰にも負けたくないから」
チャンスだと思った。今日を特別な日にしようと決心してから今日の為に用意してた物。今なら勢いで渡せるかもしれない。
テーブル脇のチェストの一番上の引き出しからブルーのリボンをかけた箱を取り出し、龍くんの前に差し出す。
俯いて話を聞いていた龍くんが箱と私を交互に見つめる。
「私からのクリスマスプレゼント。たいした物じゃないんだけど………」
「開けていいの?」
「うん……」
ガサガサ包みを開ける音が部屋に響く。ピタリと音が止む。多分、いま中身を見てる。
恥ずかしくて顔が上げられないよ……
「これって……」