高校生彼氏
「鍵?」
「うん……合鍵。ずっと渡したいと思ってたんだけどなんか勇気出なくて……あ、いらないならいいんだ。ホント下らない物でごめん!クリスマスプレゼントって言ったら時計とかアクセサリーとか………」
なんか急激に恥ずかしくなって機関銃のように早口で捲し立てた。だってよくよく考えてみれば迷惑な物だったのかもしれない。
でも…………
龍くんの顔を見たらそんな考えも吹っ飛んじゃった。
だって赤いリボンが付いたそれをぎゅって握り締めて、テーブルに突っ伏しながらフニャ~って顔をほころばせてるんだもん。
きっと誰が見たって幸せなんだな~そう思う表情に。私は心底あげてよかったって思えた。
「ヤバい、俺超嬉し~………いつ来てもいいんだよね?」
「うん」
「やった~。ありがと南ちゃん」
トクントクンと胸が鳴る。そこに明かりをともしたようにポワッとあたたかくなる。
ちょっとくすぐったくて…でも心地いい。
無邪気に喜ぶ龍くんを見て心底思った。
-私……この人が好き-
年下だけどそんなの関係ないくらい、
爽やかな笑顔も
芯の強いとこも
ちょっぴり強引なとこも
凄く甘えん坊なとこも
何より私なんかを心底大事にしてくれてる。
そんな龍くんが大好きです―――――
「ねぇ龍くん」
「ん?」
「私、璃乃さんみたいに可愛くないし、真奈美さんみたいにスタイルよくもない。何の取り柄もないし、どんくさいし要領悪いし冴えないけど……それでもいいの?」
ふと目が合う。そこには今まで見た中で一番魅力的で優しくて包容力に満ちた瞳があった。