いろんなお話たち
■
『あっ…ぁん…ダメ…Hな気分になっちゃぅ…』
どんな気分やねん。
「って関西人でもないのに俚語が出ちゃった…」
それにしても他人様の執事にも襲われるってこのヒロイン何者?
発情期の雌の匂いでも分泌してる訳?
それとも少女漫画の主人公の王道展開?
「(んな馬鹿な…) ! うわっ!?」
はっと横を見ると久登さんが覗き込んでた。
今日中には読破すると意気込む私にクラウスさんは嘲笑しながら部屋を出ていって。
直接目で確認したんじゃなくて気配でだからあれだったけど、久登さんも一緒に出て行ったんじゃなかったのか……。
「な…何?」
「いや」
ついと視線を逸らされ漫画に目を落とす。
感じる視線。
顔を上げる。
ふいと横を向かれる。
そんなやり取りを数回繰り返し、
「……そういえば、久登さん」
「なんだ」
「それ。いつの間にか敬語じゃなくなったね」
各話。
必ずある絡みシーンが嫌になり数頁飛ばし読みする事にした。
「なんで?」
「……人前では気楽に話したいと言っただろう。だが俺は…俺はまだ慣れていないから、」
迷いながら言う久登さんの顔がほんのり赤く染まる。
えっ何この可愛いキャラ。
「…も」
「?」
まさかの萌えキャラ!?
ああっ体がこんなじゃなかったら今すぐ抱き付いてるのに!
いや、片方だけでも腰にまわして抱きつくべきか。
ふるふると体全体を震わせる。
抱きつくならやっぱり両腕がいい……クソッ、悔しい!
「……みゆ様?」
耐える私を怪訝そうに久登さんが見るので片手を胸の前で振りながら首を振った。
「ううん、なんでもない。久登さんが決めたんならそれでいいと思うよ」
気付けば耳まで赤くなってた久登さん。
くすりと笑いたいのを我慢してにこりと笑んでから漫画に目線を戻す。
「…」
「……みゆ様」
「んー…?」
「……。」
「なぁに?」
「……それ、どう思う」
「うーん…私的にはまぁまぁかな。独創性とか内容の濃さとか考えると三流映画みたいな物ね。とりあえず無駄に18禁が多過ぎ。少女漫画でこれはないよ」
でも読者を惹き付ける力は持ってるみたいだから、……とここまで熱く語り通してはっとした。
「ごめん今のなし…! 私ったら何を偉そうに…!」
別に個人の見解だから自由でよくて何で謝るのか自分でも解らない。
その証拠に久登さんも首を傾げた後で私の態度が面白かったのかくすりと笑って。
開いたままの漫画上では丁度緊迫な場面が展開されてた。
お嬢様同士の闘いというか確執というか。
ふんふん、お金持ちも楽じゃないということか。
ということは、二人のもともとの主も苦労したのだろうか?
うちはそういう意味では平和で良かったなーと貧乏にありがたさを感じていた。
次の言葉を久登さんが言わなければ。
「ずっと気になっていたんだが、平然と読めるということは、時々自慰しているのか?」
「……じい?」
意味がわからなくてネット検索してその意味に驚愕した。
久登さん、閉め出し決定。
『あっ…ぁん…ダメ…Hな気分になっちゃぅ…』
どんな気分やねん。
「って関西人でもないのに俚語が出ちゃった…」
それにしても他人様の執事にも襲われるってこのヒロイン何者?
発情期の雌の匂いでも分泌してる訳?
それとも少女漫画の主人公の王道展開?
「(んな馬鹿な…) ! うわっ!?」
はっと横を見ると久登さんが覗き込んでた。
今日中には読破すると意気込む私にクラウスさんは嘲笑しながら部屋を出ていって。
直接目で確認したんじゃなくて気配でだからあれだったけど、久登さんも一緒に出て行ったんじゃなかったのか……。
「な…何?」
「いや」
ついと視線を逸らされ漫画に目を落とす。
感じる視線。
顔を上げる。
ふいと横を向かれる。
そんなやり取りを数回繰り返し、
「……そういえば、久登さん」
「なんだ」
「それ。いつの間にか敬語じゃなくなったね」
各話。
必ずある絡みシーンが嫌になり数頁飛ばし読みする事にした。
「なんで?」
「……人前では気楽に話したいと言っただろう。だが俺は…俺はまだ慣れていないから、」
迷いながら言う久登さんの顔がほんのり赤く染まる。
えっ何この可愛いキャラ。
「…も」
「?」
まさかの萌えキャラ!?
ああっ体がこんなじゃなかったら今すぐ抱き付いてるのに!
いや、片方だけでも腰にまわして抱きつくべきか。
ふるふると体全体を震わせる。
抱きつくならやっぱり両腕がいい……クソッ、悔しい!
「……みゆ様?」
耐える私を怪訝そうに久登さんが見るので片手を胸の前で振りながら首を振った。
「ううん、なんでもない。久登さんが決めたんならそれでいいと思うよ」
気付けば耳まで赤くなってた久登さん。
くすりと笑いたいのを我慢してにこりと笑んでから漫画に目線を戻す。
「…」
「……みゆ様」
「んー…?」
「……。」
「なぁに?」
「……それ、どう思う」
「うーん…私的にはまぁまぁかな。独創性とか内容の濃さとか考えると三流映画みたいな物ね。とりあえず無駄に18禁が多過ぎ。少女漫画でこれはないよ」
でも読者を惹き付ける力は持ってるみたいだから、……とここまで熱く語り通してはっとした。
「ごめん今のなし…! 私ったら何を偉そうに…!」
別に個人の見解だから自由でよくて何で謝るのか自分でも解らない。
その証拠に久登さんも首を傾げた後で私の態度が面白かったのかくすりと笑って。
開いたままの漫画上では丁度緊迫な場面が展開されてた。
お嬢様同士の闘いというか確執というか。
ふんふん、お金持ちも楽じゃないということか。
ということは、二人のもともとの主も苦労したのだろうか?
うちはそういう意味では平和で良かったなーと貧乏にありがたさを感じていた。
次の言葉を久登さんが言わなければ。
「ずっと気になっていたんだが、平然と読めるということは、時々自慰しているのか?」
「……じい?」
意味がわからなくてネット検索してその意味に驚愕した。
久登さん、閉め出し決定。