いろんなお話たち
「頑張ってね! 私応援してるから!」
「違う…! 彩……!」

「どうだった?」
「はい。初めてお目にかけましたが中々面白い所ですね」
「そう。良かった」
何が良かったのよお母さん。
前の座席は比較的明るい中後部座席はどんより雨雲模様。
「……終わった……もうダメだ……」
「…みゆ様…?」
久登さんが心配そうに尋ねるけれど、お願いだから今は一人にして。
「……」
「……」
「……どうしたのよ、みゆ」
助手席の母が尋ねてくるが下手に言えなかった。
とりあえず言っとく事は。
「当分久登さんとクラウスさんは学校に来ないでね」
しかしクラウスさんは笑顔でまた行きますと言い久登さんは首を傾げた。
…二人共空気読んで。
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