【完】イケメン*眼鏡*ランデヴー
早速永太の真っ赤なオープンカーで海に浮かぶ幻想的な道路を経て本島へ。



「今日は法廷速度守るんだ、珍しい。」



「貴方ねぇ、そう毎回スピード違反するわけないでしょ。」



いやいや永太さん。私が乗ると地獄のドライブ率高いですが。



…なんてことは口が裂けても言えないし、私は苦笑いして前を向く。



「それに今日は……マッポがいます。」



ボソッと呟いた永太にヒヤリとしながら外を見回せば、道路には巡回のパトカーが。



っていうか『マッポ』って、ヤンキーとかヤクザが警察呼ぶときに使う言葉じゃん。



お父さんがVシネマの映画を借りてきて観てた時にしか聞いたことないよ。



その綺麗な唇から物騒な言葉を出さないで欲しいものだ。



「永太、あんた標準語どうやって勉強してんの?マッポとか使っちゃダメじゃん。」




「そうですか。やまとぐちではマッポはあまり使わないのですね、覚えておきましょう。」



永太って基本的にしっかりしてるくせに、たまに変なとこあんのかも。



この美人な鬼畜の謎が深まったところで、車は離島から本島へ辿り着いた。
< 125 / 248 >

この作品をシェア

pagetop