【完】イケメン*眼鏡*ランデヴー
本島に辿り着き、しばらくの間ドライブを楽しんでいるうちに、目的地の勝連城へ到着する。
「このお城は琉球統一を目指した阿麻和利が居住したお城で………って、悠莉、聞いてるの?」
「あ………ごめん。ちゃんと聞くから、後で聞くから、ちょっと待って。」
永太の詳しい説明も耳に入らない。
なんでって、そりゃ………!
「仕方のない子ですね。存分に、撮りなさいよ。」
「…………うんっ!」
勝連城は、まるで天空の城みたいなんだ。
沖縄のビビッドブルーの晴れ渡る空の下、長い坂道がくねくねと繋がる先に、積み上げられた石垣の壁の奥にそびえ立つお城。
遠くから見てもこんなに綺麗なのだから、近くで見たらもっと凄いのだろう。
「はんっぱない!何これ!沖縄ってどんだけ綺麗な景色あんの!毎日が感動なんだけど!」
持ってきていた一眼レフをデジカメに取り付けて遠くの勝連城を撮り始めた私に、隣から永太がクスクス笑う声が聞こえる。
「貴方はいちいち良いリアクションをくれますから、見てて飽きませんよ。」
「私よりお城見なよ!」
この景色を初めて観るわけじゃない永太に対してそう告げた私に、永太は困った声で『はいはい』と返事を返した。