【完】イケメン*眼鏡*ランデヴー



山入端邸に帰り着くと、玄関からでも分かるほどに居間から声が聞こえた。



「あいつら…人の家、何だと思ってるの。」



多分なんだけど、小さい頃から永太ん家の居間は三人の溜まり場なんだと思う。



だって、呆れた声を出した永太だけど、決して嫌そうではないのだから。



先に進んでいく永太の後ろでふふ、と笑いながら着いていくと、二人の会話が聞こえてくる。



「クヌ間本島んかいあるケーキバイキングで食べたフルーツタルトがでーじ美味くてよぉ…。」



「だぁ知っちょる、ぁうまでしょ、雑貨店ぬヒジャイぬ路地んかいいゆんとこ。」



………安定の、無駄に女子力高い会話だ。



「ただいま。」



「おけーり!悠莉、くま来い!」



白い肌の奥のもっと白い歯をニカッと見せた雅治が私を見ると、直ぐ様隣をポンポン叩く。



澪ちゃんは机に広げているポテチを食べてもぐもぐしながら相変わらずほんわり座っている。



呼ばれたので雅治の隣に座れば、早速雅治にぎゅむーっと抱き着かれる。



何これ何なのこの子、可愛すぎる。
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