【完】イケメン*眼鏡*ランデヴー
「ねえ、でも雅治、これ、許可取ってあるの?」



こっそり私を連れ出したりしている辺り…答えは予測出来るけどさ。



「永太んかい話しちゃんら『夜の学校なんてこりごりですよ』って言われてな。強行やいびーん!」



……さいでっか。予測した通りになってしまったわけですな。



「なんくるないさー!わんに任せとけ!」



状況は不安だけど、雅治の『なんくるないさー』はホントに大丈夫、心配いらない、と思わせてくれるから不思議な言葉。



雅治の、白いけどスポーツマンらしいごつごつした逞しい手に引かれ、夜の学校へと足を踏み入れた。



私達を見守るのは、瞬く星の光と、駐車場にでん、と構えるガジュマルの木のみ。



少しお馬鹿な、だけど真っ直ぐでキラキラしている王子様と二人きりのこの秘密の時間に、胸が高鳴るのを抑えられなかった。
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