【完】イケメン*眼鏡*ランデヴー
夜空の下のランデヴーが終わり、二人でびくびくしながら鬼畜の待つ家へ帰ると、玄関口に鬼畜が仁王立ちしていた。
「た……ただいまぁー、あはは。」
「………なまちゃん。」
こ、怖い。なんかもう、ずもももーってどす黒いオーラを纏っていらっしゃいますけどどうしますこれ!
「貴方達は…………!」
永太が口を開いた瞬間、ぎゅっと目を閉じると、家の奥からドタドターっと何かが迫ってくる音がした。
そして、鬼畜から雷が落ちる前に、私と雅治は同時に何かに包まれる。
「クヌふらぁ!心配しちゃんやっさー!」
「み…澪ちゃん、苦し………!」
それは澪ちゃんで、その長い腕が私と雅治の首に巻き付いて、ぎゅーっと強く抱き着かれる。
「………はぁ、泣きそうになりながら貴方達を必死で澪が探す姿、想像して罪悪感に苛まれなさいよ。」
そんなことを言う永太だけど、心配してくれていたんだと言うのは、灰色のタンクトップに滲んだ汗が、外を必死に走って探してくれたのを肯定していて分かった。