【完】イケメン*眼鏡*ランデヴー
美ら海水族館を満喫して、私達四人は永太の家の居間でいつも通りにダラダラ。
「夜、くまぬナーで花火さびら!毎年やっちょるぬんかい今年やまだしてねーらんさー!」
ソーダ味のアイスをシャリシャリと食べていた雅治が、満面の笑みで提案してくる。
毎年この大きな庭で花火をしている三人の姿が目に浮かぶ。
私が頷くと、永太が立ち上がり雅治の頭をゴツン、と小突いた。
…………いや、あれは小突くなんて可愛いレベルの音じゃなかったかもしれない。
案の定雅治は『あがぁぁ』と唸りながらうずくまっている。永太はたまに、さらりと鬼畜を発動するから恐ろしいよな。
「言い出しっぺは君ですから、今から買い出しに行きますよ。全く、君の突発的な提案には手を焼きますね。」
「やっさーからって、すぐるくとぅねーらんさー……わっさいびーん、ちむぢゅらさん永太様、マジュン買い出しんかい付き合ってくぃみそーれ!」
いつも通りの軽いコントを済ませた二人はガチャガチャと騒ぎながら家を出て行く。
残された私と澪ちゃんは、お留守番係で居間に残り、机に広がったお菓子に手を伸ばす。
「なー、悠莉ぃ?」
「んー?どったの?」
そんな穏やかな時間が流れる中、澪ちゃんは独特のゆったりとしたテンポで話しかけ、黒目がちの垂れ目で私を見つめた。